第9回藤さんの旅と人と食と~イタリア―冷静と情熱のフィレンツェからローマへの道―(後編)~

フィレンツエは、ベネチアのカラフルさとはまた違った,ルネサンス発祥の地であり、かつてメディチ家の栄華が色濃く残る歴史の街だ。赤茶色に統一された屋根の建物が連なる。『冷静と情熱のあいだ』という素敵な映画の主人公が30歳の誕生日に再び会うと約束した場所が、街の中でもひときわ目立つ『花の聖母寺大聖堂』。赤茶色のクーポラ(円蓋)に上がった、ここが待ち合わせ場所なんだなと一人感慨にふけった。

街の中心部を流れるアルノ川にかかる、旧い橋。有名なポンテベッキオがあるのもここ。
そして名画が揃うウフィツィ美術館もその近くにあり、贅沢な時間を過ごした。

電車で30分ほど移動して、かの有名なピサの斜塔も見学。
お約束のおなじみのポーズで写真も。

そしていよいよ今回の旅の最終地であるローマへ、また鉄道での移動。

ローマは石でできている。まさにそう思った。街中に遺跡が溶け込んでいる感じ。
有名なコロッセウムも地下鉄の駅が目の前にあって、あたかも阪神電車を降りて甲子園球場に向かうよう。
とはいえ、コロッセウムからフォロロマーノの遺跡群、まさにローマ人の物語の舞台を歩いて、古代ローマのリアルを感じる。2,500年以上も前にこういうものを造っていたレベルの高さを実感する。

そして、スペイン坂、トレビの泉、真実の口と定番のスポットを回る。

いよいよカトリックの総本山、バチカン市国へ。

円状に囲まれた壁の入り口には、選抜されたバチカンの衛兵がいて、くぐると、広い広い広場が拡がる。そして、その広場を見下ろすように、カトリック教の総本山である、聖ピエトロ大聖堂が威風堂々とそびえる。ここに来ると誰だって気持ちはしゃんとする。

そして、バチカン美術館へ。
美術館の中にあるシステナ礼拝堂。圧巻は、その礼拝堂の祭壇に大きく描かれたミケランンジェロの「最後の審判」。しばしその美しくも迫力ある壁画の前で私は動けなかった。

たくさんの贅沢な瞬間を与えてくれたイタリア旅行は、瞬く間に終わった。
ひとつひとつの出来事が今でも鮮明に脳裏に浮かんでくる。
魅力が尽きない国。今度は南の方を訪れたい。

執筆:藤さん
   ビジネスマンとして世界各国への出張を30年以上続けながら、趣味の旅行でもあちこちに出かける好奇心旺盛なアラ還男子。
   山本代表の長年の友人で、ぼちぼちと旅のコラムをおもびよのブログで書いています。